Tokyo
SHIMURA/bros Tokyo Story
2015/10/24–12/5
●オープニング・レセプション
2015年10月24日(土)|16:00-18:00
東京画廊+BTAPにて
この度、東京画廊+BTAPでは10月24日(土)よりSHIMURAbros個展「Tokyo Story」を開催致します。
SHIMURAbrosはユカ(1976年生まれ。多摩美術大学卒後、英国セントラル・セント・マーチンズ大学院にて修士号を取得)とケンタロウ(1979年生まれ。東京工芸大学 映像学科卒)による姉弟ユニットです。平成21年度 [第13回] 文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞受賞。カンヌ及びベルリン国際映画祭での上映をはじめ、国立新美術館、シンガポール国立大学美術館、台北現代美術館、パース現代美術館(オーストラリア)、ミュージアムクォーターウイーンなどで作品を展示しています。平成26年度ポーラ美術振興財団在外研究助成を得て拠点をベルリンに移し、現在はオラファー・エリアソンのスタジオに研究員として在籍し活動しています。
SHIMURAbrosは映画を中心とする表象の問題を追求しつつ、制作活動を行ってきました。多様な映像が溢れる現代において、映像が本来持つはずの力を新しい形で実現することを目標とし、「新たな映像装置の発明」の試みを重ねてきました。
Film is the catalyst for our creations. The nature of the representation of film is the mutual exchange of light and matter.
映画は私たちの創作の触媒である。映画の表現とは元来、光と物質の相互交換であると言える。
Shabbir Hussain Mustafa氏
(ヴェネツィア・ビエンナーレ2015 シンガポール館キュレーター)との対談
シンガポール国立大学美術館出版,2013, 展覧会カタログより
本展は2009年から継続して制作しているTRACEシリーズの最新作<TRACE-SKY-Tokyo Story>を発表いたします。同作品は小津安二郎監督の映画作品『東京物語』に登場する「空」をモチーフにしています。フィルムカメラによって切り取られた「空」を、Googleストリートビューという現代のカメラを通して再び捉え直し、ミクストメディアという新しい表現形態で再現しています。光学的に処理を施されたこの作品を一見しても、それが何であるかを判断することは難しいでしょう。ところが、鑑賞者が視点を変えると、そこには空を飛び交う電線のようなイメージが現れます。
ストリートビューではパノラマ画像を作成する際には自動的にイメージのつなぎ目が発生します。このことを発見したアーティストは、このイメージの歪みを可視化することを試みました。エラーを抽出して実物大に再現し、また光学ガラスを応用することで、鑑賞者の視点の自発的な操作を誘導する仕組みを作っています。
SHIMURAbrosの制作は、消費の対象となり疲弊してしまったイメージに、再びリアリティーを与えようとするものです。映画を始めとする映像テクノロジーの歴史を周到に参照しつつ行われるそれらの試みは、同時に我々の現実世界を揺さぶる力を秘めています。
また本展の一部では、現在進行中の北京電影学院との芸術交流プロジェクト<映画法書>の経過報告を行います。同作品は来年、弊社の北京のギャラリースペースで展示される予定です。