Tokyo
高明根 A blending space
2017/11/2–12/30
オープニング・レセプション
2017年11月2日(木)|18:00-20:00
東京画廊+BTAPにて
この度、東京画廊+BTAPは韓国人アーティスト、高明根の個展「A blending space」を開催いたします。国内では2006年に弊廊で開催して以来、11年ぶりの個展となります。
高の作品は写真という平面の媒体を用いつつ、独自の手法で立体を立ち上げるものです。高は写真をフィルムにデジタル印刷し、それを透明なプラスチックにラミネート加工した後、ヒートガンを使用して立体的に組み立てゆきます。建築物の壁のように立てられた半透明の写真のレイヤーは、しかし、対象の再現を目指すものではありません。そこに現れるのは、内部がそのまま外部であるような、逆説的空間です。高は1980年代からこの手法に取り組み、自然、建築物、人体という三つの分野を主な被写体として、シリーズを展開してきました。
本展では、高が撮り貯めたアジア諸都市の写真を用いた作品を展示します。これらの作品においては建築という文化的遺産の厚みと、薄く透明なイメージが相互に作用することで、特有の空間が生み出されています。一方、「部屋」というタイトルをつけられたシリーズで問題となるのは、人間の身体とより親密(インティメイト)な距離を保つ空間です。そこでは、「見る/見られる」という関係を基底として、鑑賞者と対象との間に、イメージを通した接触が幻想されるに至ります。
高明根は1964年ソウル生まれ。1987年ソウル大学彫刻科を卒業後、1991年にニューヨークのPratt Instituteにて修士課程修了。ソウルを拠点に制作活動を行い、国内外の個展、グループ展で作品を発表して来ました。主なパブリックコレクションに韓国国立現代美術館、ソウル市立美術館、ハンミ写真美術館などがあります。