前期:11月22日(金) - 12月7日(土)
後期:12月11日(水)-12月28日(土)
*トークイベント中[12月21日 (土) ]はご入場いただけませんので、ご了承ください。
東京画廊+BTAPは11月22日(金)より、近藤高弘「消滅から再生へ」展を開催致します。
近藤高弘は1958年京都生まれ。人間国宝(染付)の祖父・近藤悠三と父・近藤濶のもとで育ち、卓球で日本代表選手になった異色の経歴を持ちます。25歳から陶芸の道を志し、1994年には京都市芸術新人賞を受賞、2002年には文化庁派遣芸術家在外研修員として、エジンバラ・カレッジ・オブ・アート・マスターコース(イギリス)を修了しました。近年の主な展覧会に2023-2024年にブルックリン美術館で開催された祖父・近藤悠三、父・近藤濶、伯父・近藤豊との4人展『 Porcelains in the Mist: The Kondō Family of Ceramicists』があります。
伝統的な染付作品から制作を開始した近藤は、その後、金属や鋳造ガラスなど新しいメディウムを取り入れ、独自の造形表現を確立しました。1993年、陶にプラチナ、金、銀、ガラスの混合物を粒状に結晶化させる「銀滴彩」を生み出します。磁器に繊細な煌めきをもたらし、表面の雫にさまざまな表情を与えるこの技法は、土を媒介として、火から水を生むことをコンセプトとしています。水をテーマに制作した「Reduction」、「Wave」シリーズは、ボストン美術館、ギメ美術館をはじめ著名な美術館に数多く収蔵されています。また今年6月には、京都市左京区の花脊にある旧八桝小学校の跡地に登り窯「念々洞・鹿龍窯(ろくりゅうがま)」を創築しました。
本展は会期を二つに分け、近藤がライフワークとする白磁を展示いたします。前期は、作曲家、故・一柳慧と2018年に行った二人展「消滅」から始まった試みの継続です。形を失って崩れ、「消滅」を予感させる器がなお内包している、再生の契機を探る展示となるでしょう。展覧会後期は白磁を使用したインスタレーションの試みです。つねに消滅へと傾く自然と、作り続け、再生をめざす人間との交流をテーマに据え、工芸と現代美術の境界を問いなおす展覧会となります。
トークイベント:
東京画廊+BTAPで開催中の近藤高弘展に関連し、12月21日(土)にトークイベント「工芸と現代美術の境界」を開催いたします。現代アートのコレクターで、陶芸にも造詣が深い宮津大輔氏と、批評家/キュレーターの梅津元氏をゲストに迎え、本展作家の近藤高弘とともに、これまでの活動や展示作品の解説を行うとともに、「工芸と現代美術の境界」について語り合います。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
日 時: 12月21日 (土) 16:00 − 17:30
司 会: 山本豊津
登壇者: 近藤高弘氏、宮津大輔氏、梅津元氏
言 語: 日本語
入場料: 無料
場 所: 東京画廊+BTAP、東京
*大変恐縮ですが、本トークイベントは先着制で定員に達したため、受付を終了いたしました。
WORKS
近藤高弘
近藤高弘は1958年京都生まれ。人間国宝(染付)の祖父・近藤悠三と父・近藤濶のもとで育ち、卓球で日本代表選手になった異色の経歴を持ちます。25歳から陶芸の道を志し、1994年には京都市芸術新人賞を受賞、2002年には文化庁派遣芸術家在外研修員として、エジンバラ・カレッジ・オブ・アート・マスターコース(イギリス)を修了しました。
初めは伝統的な染付作品を制作した近藤でしたが、その後、金属や鋳造ガラスなど新しいメディウムを取り入れ、独自の造形表現を確立しました。1993年に、陶にプラチナ、金、銀、ガラスの混合物を粒状に結晶化させるオリジナル技法「銀滴彩」(特許取得)を生み出します。磁器に繊細な煌めきをもたらし、表面の雫にさまざまな表情を与える同技法は、土を媒介として、火の中から水を生むことをコンセプトとしています。
近藤の主な個展に「-手の思想-」(何必館・京都現代美術館、2017年)、「生水ーうつろいゆくウツワー」(瀬戸内市立美術館、2016年)、「セルフ ポートレート」(伊丹市立工芸センター、2010年)、「変容の刻 ーMetamorphoseー」(京都芸術センター、成羽美術館、パラミタミュージアム、2007年)、「Takahiro Kondo: New Blue & White」(スコットランド国立美術館、1995年)など。また作品の主な収蔵先に、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)、ブルックリン美術館(ニューヨーク)、ボストン美術館、サンパウロ美術館(ブラジル)、スコットランド国立博物館(エディンバラ)、国立ギメ東洋美術館(パリ)などがあります。