東京画廊+BTAPでは8月27日(土)より、石井友人個展「地へ、地の上空へ、水晶宮の内へ、外へ」を開催いたします。石井にとって弊ギャラリーでの初個展となる本展では、<Sub Anaglyph>と題する新作7点を含めた11点を展示いたします。
<Sub Anaglyph>は、3Dアナグリフのように青と赤の二色で構成されます。キャンバスには観葉植物のある風景が描かれ、さらにUVプリンターで出力した天地反転したイメージが、その上に不鮮明に吹き付けられています。画面上には植木鉢をおしつけたエンボスが施されており、植物の接地面とそれを介した垂直性が示唆されます。
本シリーズは、商業ビルやリゾート施設の窓際に置かれた観葉植物を、ビルの内側・外側から撮影した写真がもとになっています。対象物がガラスの反射像と透過像に分割されて提示されることによって、「見る」という行為は意識化され、鏡像の間の関係として捉え直されることになります。
石井は、人工と自然、赤と青、水平性と垂直性、反射と透過など、相反する経験を多層的な画面として構成し、私たちの視覚認識や重力による身体感覚を撹乱させます。
石井友人は1981年東京生まれ。2006年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。2017年、TheLaforêt Summer Vacation Project(ギッファ)滞在。「大和コレクションVII」(沖縄県立博物館・美術館、沖縄、2015年) 、「『複合回路』認識の境界」(Gallery αM、東京、2011年)、「15years」(WAKOWORKS OF ART、東京、2008年) 「Portrait Session」(広島市現代美術館、広島、2007年)。 主な受賞歴に、2012年、武蔵野美術大学パリ賞、2005年、ホルベインスカラシップ。東京画廊+BTAPでは、2013年から開催している展覧会「新朦朧主義」に、第二回(2014年)以降出品しています。
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。
WORKS
石井友人
1981年生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。自ら撮影した写真や既存のイメージをソースとして絵画化し、情報の受容装置としての視覚を問題化した作品を発表している。近年は観葉植物をモチーフとした油彩とUVプリントによる、天地反転したダブルイメージの絵画を制作し、都市空間と不可分な人間の記号的認識を変容させる試みを行なっている。アーティスト活動とともに「わたしの穴 美術の穴|地底人とミラーレス・ミラー」などキュレーション活動も展開している。
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