Tokyo

瀧本光國

2002/9/2–9/21

掲載評論:ギャラリートーク「空なる彫刻」 瀧本光國・前田恭二・中村英樹・原和彦 【2002年9月7日】

瀧本光國

瀧本光國は1952年福岡県生まれ。1977年にイタリアに渡りミラノで活躍する豊福知徳に師事し、以降、伝統技法を守りながら、45年にわたり一貫して木彫の作品を制作してきました。また瀧本は古い仏像修復の専門家としても活動しています。1980年代、豊福の影響を受けてレリーフ状の抽象彫刻を制作していた瀧本は、90年代に表現を変化させ、具象へと近づいて行きます。具象とは言っても、瀧本が対象として選んできたのは滝や川、あるいは雲や煙など、見る人の記憶にかすかな残像として留まるかたちばかりです。これら流動的なかたちの表面に残されたノミ跡は、制作という行為の痕跡であると同時に、不定形のイメージを掴もうとする意識の働きを象徴するものです。

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