Tokyo
泰祥洲 天体則
2017/7/1–8/10
オープニング・レセプション
2017年7月1日(土)|16:00-18:00
東京画廊+BTAPにて
東京画廊+BTAPでは7月1日(土)より、中国人アーティスト、泰祥洲の個展を開催いたします。アーティストにとって日本での初めての個展となる本展では、水墨画およそ20点で構成されるシリーズ<天象>を展示いたします。
<天象>は、宇宙の混沌とした誕生における物質の形態を表現しています。隕石は宇宙の最も基本的な物質であり、おおよそ永遠不朽の存在を象徴するものです。ひとつひとつの隕石がエネルギーを持った物体であり、そこには、宇宙の起源に関する情報が秘められています。泰祥洲は天文学と宇宙に強い関心を持ち続けており、博士課程の研究テーマとして、天文学と人間の生命との密接な関係を選びました。それはのちに、『仰観垂象(宇宙の原理を仰ぎ見る)』と題した書籍にまとめられ、泰の創作を支える重要な理論的枠組みとなっています。
泰は以下のように述べています。「伝統的な山水画を今日の趣向に合わせるためには、現代社会での経験から出発し、活き活きとした芸術精神を探し出して、伝統的な素材・技法・メディアを、現代的な時空経験とともに研究しなければならない。端的に言えば、単に伝統芸術を継承するだけでなく、芸術の伝統そのものを継承しなければならない。」泰の作品においては、隕石が天と地の間で爆発し、原始的な宇宙の力を満たしています。しかしそれはただ険しいだけのものではなく、時間と空間が画面の中で無限に拡大しているのです。
泰祥洲は清華大学美術学院で博士号を取得し、現在は銀川市(寧夏回族自治区)で制作活動を行っています。幼少期から書を学び、王文均と胡公石の指導のもと研究をしました。大学でも書の制作を続ける傍ら、中国古典文学を馮其庸氏に学び、江南地域すなわち長江南部の文学を熟知するようになります。これが泰の作品制作に新たな展望を開きました。主なコレクションに、ハーバード大学アーサー・ M・サックラー美術館、北京大学サックラー考古芸術博物館、ブルックリン美術館(ニューヨーク)、デューク大学付属ナシャー美術館 、プリンストン大学美術館、イェール大学アートギャラリーなどがあります。