Isao Sugiyama杉山功
杉山功は1977年に東京造形大学彫刻科を卒業後、同大学研究室へ進学。1983年、卒業と同時にイタリアへと渡り、カラーラ美術アカデミーに入学します。卒業後はイタリアに留まり、ミラノ、カラーラを拠点に制作活動を行ってきました。これまで主にヨーロッパで個展を開催し、世界各地のグループ展やアートフェアで作品を発表しています。
杉山の彫刻は大理石と木から成ります。未加工の大理石を自然に見立て、そこに家のフォルムを配置することで、文明の存在をほのめかすのです。ゆっくりと風化していく石と、早々と朽ちて消える木の対比によって、自然の時間と文明の時間の異なるリズムが喚起されます。このような光景を俯瞰する作家あるいは我々の視点は、世界の全体を捉えようとする宗教的なビジョンとも言えるのです。