Tokyo

菅木志雄

2017/4/22–6/3

この度、東京画廊+BTAP(北京)では菅木志雄個展を開催いたします。

菅木志雄は1960年代末から1970年代初めに現れた「もの派」と呼ばれる美術動向を代表するアーティストです。木、金属、石、コンクリート、ビニールなどの自然物や人工素材を、加工せずに空間に配置し、そこで生まれる光景を「状況(景)」と呼び作品としてきました。とくに、スケールの大きいインスタレーション作品において異なる素材を大胆に組み合わせることで、物質とそれを取り巻く空間の関係性を現出させています。

東京画廊は1976年から計15回個展を開催して参りましたが、その度に菅は意欲的に新作を制作し発表してきました。あらゆる素材、メディアを使用したそれらの作品群は、時代によってサイズ、形態が大きく異なりますが、その根底には一貫した知覚的考察を認めることができます。中国での初めての個展となる本展は、過去に東京画廊で展示した作品を中心に、菅の創作を幅広い年代に渡って紹介するものです。

1980年代から90年代にかけて制作された<PROTRUSION>シリーズは、一見すると平面的な絵画作品です。しかし、中空を設けたり、矩形の板を枠からはみ出させるなどのさまざまな手法を用いて、菅はモノと空間との境目に探求を進めています。また、2005年の個展に合わせて制作された<空気の流路>は、太い柱の間に5メートルの透明のビニールを渡らせています。たわみつつ空間を隔てるビニールによって、見る者の身体までもが作品に取り込まれてゆくような感覚を引き起こすインスタレーションで、菅の創作を基礎付ける空間概念を大規模に展開するものです。

菅木志雄は1944年、岩手県盛岡市生まれ。1968年に多摩美術大学絵画科を卒業以降、国内外で数多くの展覧会を開催してきました。主な個展にミラノのピレリ・ハンガー・ビコッカ(2016年)、ニューヨークのDia Chelsea(2016年)、東京都現代美術館 (2015年) 、横浜美術館 (1999年) 、広島市現代美術館 (1997年) などがあります。昨年1月には権威ある毎日芸術賞を受賞し、さらにミラノのハンガー・ビコッカにて欧米の美術館では初となる個展が開催されましいた。本年は5月より開催される第57回ベニス・ビエンナーレの企画展”Viva Art Viva”に参加するなど、益々の活躍が期待されます。

菅木志雄

菅木志雄は1944年岩手県盛岡市生まれ。1968年多摩美術大学絵画科卒業。1970年前後、美術運動「もの派」の中心的アーティストとして活躍し、国内外の数多くの展覧会に参加してきました。菅は石や木、紙、布、金属など日常にありふれたものを組み合わせて制作を行っています。空間を大胆に使ったスケールの大きい作品群は、素材間、さらには素材を取り巻く空間との関係を構築することで、物質性をあらわにするものです。主な個展に「揺らぐ体空 菅木志雄インスタレーション」(岩手県立美術館、05年)、「菅木志雄- スタンス」(横浜美術館、99年)、「菅木志雄展」(広島市現代美術館か、伊丹市立美術館、神奈川県民ホールギャラリー、千葉市美術館、97年)など。

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