*9月20日は臨時休廊とさせていただきます。
何卒ご了承いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
東京画廊+BTAPでは、8月26日(土)より金根泰(キム・グンテ)展を開催いたします。本展は、金にとって弊ギャラリーでの初個展であり、1990年後半から連続して制作してきた<Discussion>シリーズの新作約15点が展示されます。
金根泰は韓国、京畿道、江華島出身で、中央大学西洋美術科を卒業しました。現在は京畿道昆池岩を拠点に活動しています。彼の代表作である<Discussion>シリーズは、1993年の特定の経験を元に生まれました。ヨーロッパでレンブラントの作品を見た際に、これまで追求してきた西洋絵画に対する認識に大きな転換点が訪れました。金はこの瞬間を「初めて見た瞬間、息が詰まり、20年近く西欧のモダニズムを追い求めてきた人生が崩れ落ちた」と表現しています。
その後、暫くは作品を製作することができず、1997年、韓国の慶州、南山で塔や土器を観察する中で、新たな創作意欲が再び燃え上がります。そして、慶州で目にした石の質感を再現するために、試行錯誤と研究を重ね、油彩に石粉と接着剤を混ぜた独自の技法を開発しました。作品の表面は、朝鮮時代の粉青沙器を連想させる質感を持ちます。金はこの質感を得るために、キャンバスを水平に置き、材料を注ぎ、何度も筆を動かして作品を制作しています。
慶州での経験を通じて、金は形や形式ではなく、より本質的な問題に関心を向け、形状のない抽象的な作業に深く取り組むようになります。また、作品は仏教の参禅法「看和禅」の影響も受けているとも本人が述べています。
金の作品は「精神修養」を重視する韓国の単色画(Dansaekhwa)の国際的再評価の機運に乗じ、次世代の単色画のアーティストとして国内外で注目が高まっています。