この度、東京画廊+BTAPでは、金田勝一個展『OUR HOUSE』を開催いたします。金田にとって11年ぶりの個展となります。
金田勝一は1970年京都府生まれ。1995年に京都市立芸術大学美術研究科(絵画専攻)修了後、京都を拠点に制作活動を行っています。2009年から京都市立芸術大学で油画の教鞭を取り、2020年より教授。艶やかな色が印象的な金田の作品は、絵画・立体ともにFRP樹脂を支持体とし、油絵具、ニス、アクリルラッカー、自動車用塗料、デカール、サーフェーサーなど、さまざまな塗料を用いて制作されています。代表作である《Human's Own》シリーズはF-1をモチーフにし、利益を求めて社会をさまよう人間の本質を、動きを止めると死ぬサメに重ね合わせて表現しています。
本展では、《Human's Own》の最新作3点と、2015年より制作するペインティング《Plastic Construction》シリーズを展示します。
《Plastic Construction》シリーズは、油絵具、ファイバーグラス、ポリエステル樹脂、ステッカーなど、プラスチックと同様の石油由来の素材で構成される平面作品です。描かれるのは、自宅の庭、コンビニエンスストア、モールの屋上駐車場、京都縦貫道など、日常的に目にする光景ですが、あちこちにステッカーが配置され、情報や記号が浮遊する社会を模しているように見えます。
《Human's Own》の最新作でも、ペダルカーの支持体に金田が制作したステッカーが貼られています。プラスチックの不定形な性質をすくい取りつつ、安価で日常的な素材を用いながら、金田は現代社会の光景を流動的な構造に流し込んでいます。
展覧会のタイトル「OUR HOUSE」は、1980年代イギリスのスカ・バンドMadnessのヒットソングです。金田は、サッチャー政権下の労働者階級の暮らしを半ば自虐的に、半ば楽天的に歌ったこの曲と、現在の社会状況を対照的に見ています。身分や境遇の違いから省みられなくなった真実を、郊外のストリートに立ち戻って記録し続けようという、金田の基本的な制作姿勢の表明とも言えるタイトルです。
*事前予約制のお知らせ:当面の間はオンライン予約による入れ替え制にてご来場者をご案内いたします。ご予約はこちら。
皆様にはご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
WORKS
金田勝一
金田勝一は1970年京都府生まれ。1995年に京都市立芸術大学美術研究科(絵画専攻)修了後、京都を拠点に制作活動を行っています。2009年から京都市立芸術大学で油画の教鞭を取っています。作品表面の艶やかな色が印象的な金田の作品は、絵画、立体ともにFRP/樹脂を支持体とし、油絵具、ニス、アクリルラッカー、自動車用塗料、デカール、サーフェーサーなど、異なる素材を巧みに組み合わせて制作されています。金田の代表作であるF-1をモチーフにしたシリーズ《Human's Own》は、利益を求めて社会をさまよう人間の本質を、スピードの象徴であるF-1車と動きを止めると死ぬサメを重ね合わせて表現しています。
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