Tokyo

小品展

2020/6/13–7/25

新型コロナウイルスによって影響を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

身体的な交流や体験が制限される困難な期間ではありますが、東京画廊+BTAPでは、6月17日から始まるアートバーゼルのオンラインビューイングルームで展示中の作品も含め、画廊で小品展として展示致します。作品は小~中サイズのものが中心です。ご来場が難しいお客様は、メールでお知らせいただければ、作品の詳細画像をお送りすることも可能です。オンラインでもお楽しみいただければ大変幸いに存じます。

なお、当面の間下記の通り営業いたします。ご不便をおかけいたしますがご理解のほど宜しくお願いいたします。

・営業日:火~土 11:30~16:00 (当面の間)
・定休日:日・月・祝日

朴栖甫(Park Seo-Bo)は1931年に韓国の慶尚北道、醴泉に生まれ、1954年に弘益大学美術学部絵画科を卒業後、1961年のパリ滞在を経て、モノクロームの線画や韓紙の質感を活かした作風を発展させました。韓国現代美術の先駆的存在であり、韓国単色画(Dansaekhwa)を代表する作家です。
朴は「エクリチュール」シリーズで最もよく知られています。1960年代後半に始められた「エクリチュール」シリーズは、道教や仏教の哲学や韓国の書道の伝統を起源とし、時間、空間、物質の概念と密接に結びついています。初期の作品では、まだ乾いていない単色の絵の具の表面に鉛筆の線画を描いていましたが、後期の作品では、韓国の伝統的な和紙である韓紙を重層的に用い、指や器具で表面に縦線を入れて幾何学的な起伏を作ります。こうして生まれる形態や色彩の限定性はミニマルアートを思わせるものですが、「描く」ことを通じて反復的行為を写し取ってゆくその作品は、西洋のコンセプチュアル・アートとは異なる経路を通じて、ある精神性へと至る試みと言えるでしょう。

Learn More

榎倉康二

榎倉康二は1942年東京生まれ。1968年に東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻を修了。1970年に弱冠27歳の若さで中原佑介がコミッショナーを務めた「第10回日本国際美術展<人間と物質>」にリチャード・セラ、クリスト、カール・アンドレ、高松次郎や小清水漸らと共に出品しています。さらに、翌年の第7回パリ青年ビエンナーレでは、優秀賞(留学賞)を受賞。1年間のパリ滞在を経て、旧西ドイツのアーヘン美術館や国立国際美術館で個展を行い、国際的に高い評価を得ました。1979年と1980年には続けて「ヴェネチア・ビエンナーレ」に出品。1995年に逝去(享年52歳)した後も、東京現代美術館で大規模な回顧展が開催されるなど、榎倉が生涯追求した思想と、その表現である一連の作品は、今でも世界的に高い関心を集めています。
壁に廃油を染み込ませたり、廃油・アクリル塗料をつけた木材を綿布に押し当てた滲みを利用するなど、榎倉の作品は、独特の技法が生み出す際だった存在感で知られます。榎倉はその一連の創作によって、物と物との関係や物と身体との関係から生じる物質性に着目し、「絵画」の枠組みからの逸脱を試みます。

Learn More

菅木志雄

菅木志雄は1944年岩手県盛岡市生まれ。1968年多摩美術大学絵画科卒業。1970年前後、美術運動「もの派」の中心的アーティストとして活躍し、国内外の数多くの展覧会に参加してきました。菅は石や木、紙、布、金属など日常にありふれたものを組み合わせて制作を行っています。空間を大胆に使ったスケールの大きい作品群は、素材間、さらには素材を取り巻く空間との関係を構築することで、物質性をあらわにするものです。主な個展に「揺らぐ体空 菅木志雄インスタレーション」(岩手県立美術館、05年)、「菅木志雄- スタンス」(横浜美術館、99年)、「菅木志雄展」(広島市現代美術館か、伊丹市立美術館、神奈川県民ホールギャラリー、千葉市美術館、97年)など。

Learn More

小清水漸

小清水漸は1944年愛媛県宇和島生まれ。1966年から1971年まで多摩美術大学彫刻科在籍。現在は京都と大阪を拠点に活動しています。1960年代後半から木、石、紙、土、鉄などを用い、素材間のかかわりを重視した作品を制作してきました。1970年前後の美術運動「もの派」の中心的アーティストであり、ベネチアやサンパウロのビエンナーレ展をはじめ国内外の展覧会で活躍しています。主な個展に「小清水漸展 彫刻・現代・風土」(岐阜県美術館、愛媛県立美術館、1992年)、小清水漸教授退任記念展「重力/質量/作業」(京都市立芸術大学芸大ギャラリー・大学会館ホール、2010年)など。

Learn More