Tokyo

大西宏志、近藤髙弘、スティーヴン・ギル 『モノケイロケモノ』3人展

2011/1/15–2/12

『モノケイロケモノ』3人展
2011.1.15 sat - 2.12 sat

アーティスト トーク
2011年1月15日(土)|15:00-

オープニング・レセプション
2011年1月15日(土)|17:00-19:00
東京画廊+BTAPにて


この度、東京画廊+BTAPでは、大西宏志、近藤髙弘、スティーヴン・ギルによる三人展『モノケイロケモノ』を開催いたします。

本展は2006年に発足した「モノ学・感覚価値研究会」がきっかけとなって企画がスタートしました。京都大学こころの未来研究センター教授、鎌田東二が代表を務める同研究会は、日本の風土によって育まれた「もの」の感覚価値を、あらゆる角度から検証し考察することを目的としています。本展に参加する近藤と大西は、アーチストの立場からこの研究会に参加し、2008年にはモノ学と表現実践を結びつける場としてアート分科会を立ち上げました。


東京画廊+BTAPディレクターの山本豊津は、2009年2月に京都で行われた第一回アート分科会の研究会で、「モノ派とモノ感覚価値」と題した講演を行いました。アート分科会はその後も継続して行われ、2010年の1月には京都大学総合博物館で実験展『物からモノへ』が行われました。スティーヴン・ギルは、この時の招待作家です。そして11月には続編として、社団法人京都家庭女学院・虚白院(きょうとかていじょがくいん・きょはくいん)で『物気色(モノケイロ)-物からモノへ』展が実施されました。アート分科会から生まれた物気色のコンセプトは、二つの実験展を貫く心棒となっています。


ポスト近代において、新しい表現を探るこのコンセプトは、アーティストたちに勇気を与えるものでした。情報が氾濫し、国、社会、個人の輪郭を確定することが難しい現在、プレ近代、近代そしてポスト近代が、三人のアーティストを通して表れることを期待して、第三回目の「モノケイロケモノ」展をこの度企画いたします。



大西宏志

1965年生まれ。京都造形芸術大学情報デザイン学科准教授。映像プロ
ダクション、CGプロダクションのディレクターを経て2002年より現
職。ASIFA-JAPAN(国際アニメーションフィルム協会日本支部)会員、
モノ学・感覚価値研究会メンバー。2008年、近藤高弘とともにモノ学・
感覚価値研究会アート分科会を発足させる。
■展覧会■
2001年 京都芸術センター
2002年 「芸術と医学展」(ICC)
2003年 立体ギャラリー射手座
2010年 「物からモノへ展」(京都大学総合博物館)

近藤髙弘

1958年京都市生まれ。エジンバラ・カレッジ・オブ・アートマスター修了。
文化庁派遣芸術家在外研修員 京都市芸術新人賞受賞 Inglis Allen Masters賞受賞。

1958年 京都市生まれ。
1982年 法政大学文学部卒業、
1994年 京都市芸術新人賞受賞。
2002年 文化庁派遣芸術家在外研究員、
2003年 エジンバラ・カレッジ・オブ・アート修士課程修了、Inglis Allen
Masters 賞受賞。
■個展■
1990年 サンパウロ美術館(ブラジル・サンパウロ)
1995年 スコットランド国立博物館(英国・エジンバラ)
1999年 イムラ・アートギャラリー(京都 '97, '99)
2003年 パラミタミュージアム・開館記念(三重)
2006年 ギャラリー・セラー(名古屋)
2007年 「変容の刻」パラミタミュージアム(三重)
「TRANS-FORM」スパイラルガーデン(東京)
2008年 スコティッシュ・ギャラリー(英国・エジンバラ '00, '04 )
ハミルトン・アート・ギャラリー(オーストラリア・ハミルトン)
2010年 伊丹市工芸センター(伊丹)
バリー・フリードマン・ギャラリー(米国・ニューヨーク'02 '05 '08 )

スティーヴン・ギル Stephen Gill (俳名:ティートー Tito)

ロンドン大学日本語・日本文学専攻を卒業、Sir John Cass School of Art,
London で宝石学を専攻。立命館大学・京都大学などで非常勤講師として勤
めながら、生け石展を開き、アーティスト、詩人として活動を続けている。
アート・フォーム「生け石」の創始者。1994年東京俳句文学館賞受賞。元・
英国俳句協会運営委員。 1989年ラジオ番組Insect Musicians (虫の音楽家)
でSONY賞受賞。
■主な著書■
「石のたんじょうび」(Stone Birthdays) 副音館;編Hailstones(「霞」)、
Lost Heian (「失われた平安」)、 Enhaiklopedia (「エンハイクロペディア」)
Seasons of the Gods (「神々の四季」) 、One Hundred Poets on Mt. Ogura, One Poem Each (「小倉山百人一句一首」)
Hailstone Haiku Circle; 共編 Rediscovering Basho (「芭蕉再発見」) 、Global Oriental, UK
■主な展覧会■
1995年 6人展「石の宇宙展」(北沢ギャラリー、東京)
1996年 個展「Cool Still Small Old Wild Hard」(ギャラリー「燿」、京都)
1998年 個展「海辺の礼拝堂」(イトーキ・ギャラリー、東京)
2000年 2人展「Passage/空」(ART SPACE「感」、京都)
グループ展「The Art of Haiku」(Barbican Centre Library, London)
2004年 個展「小倉参り」(ギャラリー「賛」、京都)
2010年 グループ展「物からモノへ」(京都大学総合博物館、京都)

近藤高弘は1958年京都生まれ。人間国宝(染付)の祖父・近藤悠三と父・近藤濶のもとで育ち、卓球で日本代表選手になった異色の経歴を持ちます。25歳から陶芸の道を志し、1994年には京都市芸術新人賞を受賞、2002年には文化庁派遣芸術家在外研修員として、エジンバラ・カレッジ・オブ・アート・マスターコース(イギリス)を修了しました。
初めは伝統的な染付作品を制作した近藤でしたが、その後、金属や鋳造ガラスなど新しいメディウムを取り入れ、独自の造形表現を確立しました。1993年に、陶にプラチナ、金、銀、ガラスの混合物を粒状に結晶化させるオリジナル技法「銀滴彩」(特許取得)を生み出します。磁器に繊細な煌めきをもたらし、表面の雫にさまざまな表情を与える同技法は、土を媒介として、火の中から水を生むことをコンセプトとしています。
近藤の主な個展に「-手の思想-」(何必館・京都現代美術館、2017年)、「生水ーうつろいゆくウツワー」(瀬戸内市立美術館、2016年)、「セルフ ポートレート」(伊丹市立工芸センター、2010年)、「変容の刻 ーMetamorphoseー」(京都芸術センター、成羽美術館、パラミタミュージアム、2007年)、「Takahiro Kondo: New Blue & White」(スコットランド国立美術館、1995年)など。また作品の主な収蔵先に、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)、ブルックリン美術館(ニューヨーク)、ボストン美術館、サンパウロ美術館(ブラジル)、スコットランド国立博物館(エディンバラ)、国立ギメ東洋美術館(パリ)などがあります。

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